2007年11月23日(金)15:06

ポーランドは欧州基本権憲章反対の姿勢を変えず

ワルシャワ(AFP)

ポーランドのリベラル保守系新政権はEU基本権憲章に反対する姿勢を変更しない。ドナルド・トゥスク新首相は議会での施政方針演説で、ポーランドはEU改革条約の批准の際に、基本権・市民権憲章を除外すると述べた。私は改革条約の批准を危うくしないという、前政権が交渉の末に到達したEUとの合意を守る、とトゥスク首相は語った。経済政策では自由化路線を発表した。また新政権は来年、イラクに駐留するポーランド軍を撤退させるとも述べた。

「私は前任者の交渉結果を尊重するつもりだ」とトゥスク首相は述べた上で、連立与党はEU基本権憲章に賛成しているが、改革条約の批准を危うくしたくないのだ、と強調した。保守系のレフ・カチンスキ大統領はこれまで、EU改革条約の批准に拒否権を発動すると警告している。加えて、トゥスク首相率いるリベラル系の市民プラットフォームと穏健な農民党による連立政権は、議会での批准に必要な3分の2の議席を得ていないという状況もある。

保守カトリック系のヤロスワフ・カチンスキ旧政権は、10月のEU首脳会議でイギリスと同様に、基本権憲章をEU改革条約から除外するという例外を認めさせた。改革条約は、2005年のフランスとオランダの国民投票で死文化したEU憲法の代わりとなるものである。

一方、トゥスク首相の路線は経済政策ではきわめてリベラルである。首相は税率の引き下げ、民営化の加速、大胆な官僚主義解体を発表した。保守系のヤロスワフ・カチンスキ前政権とは対照的に、トゥスク新首相はポーランドのユーロ圏加盟も推進する意向である。

トゥスク首相は、ポーランド国民は「正常な国に正常な政府ができることを望んでいる。それは人々が自由で真面目な暮らしを営むことができ、生活水準が毎月向上する国だ」と語った。トゥスク首相はカチンスキ兄弟について、「驚くべき決意で、国民の方を変えようとして時間を無駄に費やした」と批判した。

トゥスク首相は施政方針演説の中で、選挙戦でのきわめて重要な公約の一つ、イラク駐留ポーランド兵約900人の撤退も発表した。撤退は2008年中に開始し完了する。「私たちはパートナーの国々に対し、私たちの義務を十二分に果たしたと確信し、撤退を行なう」、と首相は語った。

原題:Polen bleibt beim Nein zur europaeischen Grundrechts-Charta




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